昔から伝わる呪われた道具はおじいちゃんの家に必ずある
冬が近づくと居間に出されるそいつを人はこたつと呼ぶ
寒い部屋の中でテーブルのふりして
人がやって来るのを静かに待ってる
一度足入れたら最後だと悟れ
悪魔に心奪われ抜けられないよ
優しい顔をして油断したお前のことつかむ
見えないまやかしできみのことちょっとやそっとじゃはなさない
家族のみんながそいつのことを疑いもせずに足を入れる
テレビとお茶とせんべいがあればおばあちゃんはもう帰らぬ人
もしも一度でも中に入ったら
きみはおばあちゃんの二の舞なんだよ
魂奪われたおばあちゃんが君に
入れたての緑茶を出してくれる
お茶を飲もうとすると知らぬまにミカンまで出される
至れり尽くせりでもう二度と以前いた場所に戻れない
トイレに行けない勉強も面倒
もう何もしたくない時間だけが過ぎる
心地よい気分で眠くなって行く
知らないうちにきみは眠ってしまうよ
夢の中できみは何もない
砂漠の中歩く
奪われたが最期もう二度と以前いた場所に帰れない